黒猫ライフ

のんびり暮らしたい

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徘徊老人と、その家族のこと。

いつもとちょっと違う内容の話です。

祖父と祖母

私の祖父は84歳です。
心臓が弱く何回も手術をし、今も定期的に通院をし、毎日たくさんの薬を飲んでおり健康とは呼べない状態です。

祖母は80歳です。
一昨年大病で手術をしましたが、その後の経過はよくまだまだ元気といわれる状態です。耳は少し遠くなりましたが、家事は全てこなし、とてもしっかりしています。

祖父は数年前から認知症のようでした。
でも本当に、最近までは笑える程度でした。
「も〜!おじいちゃん何言ってるの〜!」なんて。


ところが昨年から進行し、ここ数ヶ月で急激に進行してしまいました。

認知症のこと

最初はいろいろな名前や最近のことがわからないくらいでした。
次第によく聞く認知症の症状が出るようになりました。

祖父は毎日毎日

  • 何回も財布をひっくり返しお金を数えています。
  • どこかへ出かけようとします。(会社、学校、親戚の家とそのときにより変化する)

そのうち、家族のことがわからなくなりました。

週2〜3しか会わない私のことなんてもう殆どわかりません。祖父の中の私はきっと小学生くらいなのでしょう。
私に向かって「(私)ちゃんを見なかったか?まだ、帰ってこないんだ。」と言うようになりました。

さらに祖母のこともわからない瞬間が出てくるようになりました。
目の前にいる祖母は家政婦のおばあさんで、もっと若い祖母がどこかにいるんだそうです。

ずっと仲良し夫婦の祖父母を見てきた私はとても悲しくなりました。

それでも祖母は祖父を施設に入れずに毎日甲斐甲斐しく面倒を見ています。
80歳の祖母が祖父の着替えを手伝ったりトイレのお世話をするのはきっと大変だと思います。でも祖父は祖母にしか素直になれないし、母や父には羞恥心があるらしく祖母以外だと嫌そうにするのです。

徘徊のこと

前述しましたが、そんな祖父は毎日どこかに出かけようとします。
場所は様々で
「学校に行かなきゃ。」
「仕事に行かなきゃ。」
「親戚に会いに行かなきゃ。」
「同窓会の会費を届けなきゃ。」
「理由はわからないけど行かなきゃ。」
どうしてそんなにいろいろ思い付くのかというくらい毎日違ったことを言います。
そして(学校や仕事なんてもうないので)目的地もわからないまま出かけようとします。

家族が説明しようと止めると、怒り怒鳴ります。

“行かなくてはいけない”という思い込みがあるのでなかなか納得してくれないのです。

最初は月に数回程度だったので家族も祖父の気がすむまで付き合い外出し、祖父が納得してから自宅に帰っていたようです。

それが週数回、1日置き、毎日となると家族には負担です。

スイッチの入ってしまった祖父は心臓が弱いと思えないほどスタスタ歩き、いつもでは考えられない距離も平気で歩きます。日中祖母ひとりの時ではとても対応しきれません。


私の好きだった優しいおじいちゃんが少しずつ壊れていくようで悲しくなります。

徘徊老人問題

いままでテレビで徘徊老人のことを見ても、家族がもっとしっかり見ればいいのになんて漠然と思っていました。
しかしいま私の家族をみると、
家族で対応することの限界を感じます。


もちろん利用できるサービスは利用しています。
介護申請済みで、要支援です。
デイサービスも利用しています。
徘徊老人支援のGPSサービスも問合せました。(GPSについては多種ある為検討中)


幸い私の住んでいる地域は、昔から住んでいる方が多くご近所付き合いもそこそこあります。

なので祖父が家からいつの間にか出て徘徊していても誰かが電話で教えてくれるか、自宅まで連れてきてくれます。
(祖母は耳が悪いので外出したことに気付けないときがあります。)
祖父も家族も優しいご近所さんに支えられています。

でもご近所さんに頼ってばかりではよくないし、何より迷惑にきまっています。
それに出会うのがご近所さんばかりとは限りません。悪い人にいつ祖父が騙されたり、金品目当てに襲われるかわかりません。

でも家族には家族の生活があります。
24時間祖父を監視することはできません。
では祖父は施設に入居した方が良いのでしょうか。

祖父は正常なときもあるので、きっと施設を嫌がるでしょう。そうでないときも内弁慶な性格です、施設を嫌がり祖母を探し家に帰りたがると思います。


こんなときの幸せが私にはわかりません。

老人の安息のために犠牲になる家族。
家族の安息のために寂しい思いをする老人。
きっと日本にはこんな問題を抱えている人がたくさんいるんだと思います。


幸い私の家族はとても明るく、そして優しいです。
祖父を施設にいれる話など全く出ません。
祖母も愚痴をこぼしますが祖父の面倒を毎日毎日みています。
母も父も弟も協力的です。

誰も祖父を邪険にしません。
“こんな風に今日は困った”と笑い話にするだけです。

すごいことだと思います。
私だったら出来るでしょうか。
母からしたら義理の父です。
ときにはその義理の父のオムツをかえ、着替えを手伝い、徘徊したら探しに行く。
私だったら笑っていられるでしょうか。

私にできること

祖父は私のことは殆どわかりませんが、
人が家に訪ねて来てくれることが好きです。そして何よりも赤ちゃんが好きです。
だから私は時間があるときは、娘を連れて遊びに行きます。祖父は娘をあやすのに夢中なり、徘徊やお金を数えることを一時忘れます。




「明日おばあちゃんの通院の日でね、おじいちゃんが家でひとりになるから一緒にお留守番してほしいの。」と祖母から頼まれました。
いままではお留守番くらいひとりでしていたのにそれも怪しくなったのかと切なくなったので思いのまま書きました。

昔の祖父ではなくなりつつあるけれど
私の家族は変わらずに温かい家族です。

介護には課題が多いですが、
少しでもサポートしたいと思いました。

家族のきもちや負担を考えずに批判的なことを考えていた昔の自分の無知さが恥ずかしいです。